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川上正浩ブログ

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犬権を考える

 これもまた,先日のことであるが,CNNのニュースで,こういう法案の話を見た。
 犬の飼い主は1日2回以上,合計1時間以上,犬を散歩させなければならないという法案が,ドイツで提出されるとのニュースである。
 当然のことながら,犬の健康管理に気を配るべしという法案であろう。
 言い換えれば,犬権(ブラック魔王か)の話になるのだと思う。
 ただ,それが良いとか悪いとかではなくて,そうだとすると,この「飼育」が前提,というのはどういうふうに折り合いをつければ良いのだろうと思う。
 彼らが,飼育されることをそもそも望んでいるのか,飼育されていること自体が彼らのとってストレスか否か,という論点が本来的にクリアにされない限り,「飼う時は散歩させなさい」と強制力をもって命じることが,どういう行為に当たるのか,なんか難しいなぁと思ってしまったのである。
 もっと言えば,コンパニオン・アニマルを飼うにあたって,彼らに対して愛情を持って接する,ということはむしろ前提であり,虐待等を目的としてコンパニオン・アニマルを飼育する,といったことについては罰せられても仕方がないとも思う(この辺り,マウスで実験なぞしている心理学者コミュニティの一員としてはちょっと複雑ではある)。
 そのうえで,かのコンパニオン・アニマルの健康に関して,散歩という一方向からの管理について,法令化することが,どのくらいのことなのか,たとえば食事をどうするか,とか,寝る場所はどうするか,とか,街には慣れたか,とか,考え始めると,さだまさしの案山子的な気持ちになってしまうのである。
 いずれにしても,これ,やっぱり飼育が前提なのである。
 これってなんか,奴隷制度は残すけど,奴隷を健康にするために睡眠時間はちゃんと確保しなさいね,みたいな話のように,どうしても聞こえてしまうのである。
 これはそもそも,コンパニオン・アニマルを,コンパニオン・アニマルとして飼育する,というのがどういうことなのか,ということに関わっているのであろう。
 例によって,「こんな法案はダメだ」とか「是非この法案が制度化されてほしい」とかそうした結論があるわけではないのであるが,人間の思考の複雑さ,おもしろさのようなものを感じたのである。
 それにしてもブラック魔王は古すぎるか,って話ですけど。

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