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川上正浩ブログ

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遠隔が始まる(3)

 認知屋はリソースという考え方をする。
 リソースとは資源とか処理資源とか言われるものであるが,まぁ卑近なたとえをすれば,資金だと考えるとわかりやすいかもしれない。
 広い家にも住みたいし,きれいな服も着たいし,おいしいものも食べたいし...というような我々の欲求があるとき( 一般的な欲求を挙げてみたつもりだが,いかにもステレオタイプ的であり,反省している ),これらをすべてかなえることはなかなか困難である。
 なぜなら資金が足りないからである。
 資本がないならケーキを食べればいいじゃないの,とかいうわけのわからないダジャレを思い出したりしたのだがそれはさておき。
 「リソース」のポイントは,それが「使用可能」,すなわち available であることである。
 当たり前と言えば当たり前であるが,例えば先ほどの,「欲求を満たす」例で言えば,それを叶えるための資金は,世界を見渡せば十分に存在するだろうし,ひょっとしたら,友達の財布の中,あるいは親や兄弟の預金通帳には,入っているのかもしれない。
 しかし,それらは当人にとっての資金とは言えない。
 なぜならavailableではないからである。
 逆に言えば,それがavailableであれば,親の預金通帳に記載されているのは自分の資金と見做すことができるだろう。
 何の話をしているのかとお思いの方が多かろうが,リソースの話である(それはわかっている)。
 いや,大学のリソースの話である。
 たとえば図書館ひとつとっても,これは当然ながら大学のリソースである。
 しかし。
 遠隔授業,と言うよりも,学生の学内立ち入り禁止のために,これらのリソースは学生にとってavailableになっていない,というのがポイントである。
 この話は,だから授業料を値下げする必要があって...という話と繋げるつもりのない話であることを,まずはお断りしておくが(この話は,授業料とは何か,大学が提供するサービスとは何か,といった話を含み込むので,ここではこれ以上展開しない),現状が我々教員にとっても,学生さん達にとっても,工夫が必要となる事態であることは明らかである。
 逆に言えば,このリソースがリソースでなくなるのであれば,別のリソースを考えなければならないということである。
 そうした意味でのリソースは,実はコンピュータのメモリのようなイメージで考えてもらえれば良いと思うのだが,要するにこれまで16GBのメモリが搭載されていた機械が,8GBのメモリしか搭載してないものになった,というようなものである(かえって,考えにくくなる方もいらっしゃるかもしれないが)。
 川上が大学院生時代のパソコンは,たとえば不十分なメモリ容量を補うため,「仮想RAM」などというようなやり方で,プログラム的にハードディスクの一部をメモリと同等のものとして扱うなどの方策があった。
 多分,もう同世代以上の人にしかわからないと思うが,プログラムひとつ書くに当たっても,メモリが足らないからディメンジョンが切れず(もはや何を言っているのかわからない若者も多いかもしれないが),たくさんの変数を設定できないため,どうやって変数を節約しながら(たとえば,合計値と平均値は同じ変数名にしておいて,計算の前半では合計値,後半では平均値として用いる,とか)プログラムを書くかに汲々としたことを思い出す。
 今回,大学が有している様々なリソースが使えないのは,「社会的な状況」が原因であり(つまり,感染予防が第一であることが直接的原因であり),そんな中で,メモリが足らない状況の時と同じように工夫が必要であるのだろう。
 もちろん,メモリの例えで言えば,最初から8MB程度のメモリで動くようなプログラムを動かしていた場合には,元々は16GBあったメモリが8GBに減少したことは,全くダメージにはならない。
 まぁ,その辺はあまり深く突っ込まないとして,ともあれこうしたことをすべて踏まえて上で,「対応」が求められるのであるから,これはこれで非常に大変な事態なのだ。
 本日のブログは,なんというか,リソースの困窮という話から,懐かしいプログラミングなどの話をしてみたかっただけ,みたいになってしまったが,あの頃の「メモリの制約でディメンジョンが切れない状況を工夫で何とかした!」みたいな達成感を思い出して,まぁ心を新たにしたわけである。
 ということで,工夫の日々,To Be Continuedって話ですけど。

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