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川上正浩ブログ

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秘匿に含まれる

 先回のブログ,「本数を心配する(4)」において,入試に関わる話は「書かない方が良いと思うので,書かない。」と書いたのであるが,書かないことで何が起こるのか,というのもまた面白い問題なのだろうなと思い直した(だからと言って,これから入試のことについて改めて書こうという話ではない)。
 つまり,書かないことそのものが,何かを語ることになる可能性もあるな,という話である。
 たとえば,であるが,このブログを読まれた方が,「あぁ,きっと何か,とても書けないようなことが起こったのであろうな」などと推測される可能性もあるのではないか。
 こうしたことを考えると,何を言って,何を言わないか(ブログで言うならば,何を書いて何を書かないか)自体が,ある種の「表出」になっている可能性もある。
 言わないことは,言うことと同程度に何かを伝えることがあるし,言われなかったことの中に真実があることもまた多い。
 ナイキは1972年に行われたミュンヘン・オリンピックのアメリカ国内予選で「トップ7人のうち4人までがナイキの靴をはいていた」というキャッチコピーでCMを展開し,一躍トップメーカーに踊り出たとのことであるが,この時,実は,1位から3位までの選手はアディダスの靴を履いていた,という話がある。
 本当なのかどうか,ちょっと確認ができてないのであるが,そうだとすると,これなどまさに,「言わない」ことの中に真実が含まれている,という好例なのではないかと思う。
 何より「素敵」なのは,「トップ7人のうち4人までがナイキの靴をはいていた」というフレーズには,一切嘘が含まれていないことである。
 強いて言うならば,「言われていない」ことを「嘘」と呼ぶか,ということであろうか。
 コミュニケーションの受け手の立場からすると,言われなかったことにも気を配りたいものである。

 ところで。
 2019年,ニューヨークのサザビーズ・オークションで,ナイキの共同創業者,ビル・バウワーマンが,奥さんのワッフルマシンからインスピレーションを得て作ったという,ワッフル柄の靴底が付いたランニングシューズ,「Waffle Racing Flat」が437,500ドルで落札されたという。
 実はこのスニーカーが,先述の1972年のミュンヘン・オリンピック予選に出る陸上選手たちのために12ペア限定で製作されたものであるとのこと。
 何にしても,「価値とは何か」というのは非常に難しい問題だ,って話ですけど。

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