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川上正浩ブログ

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電視の絵を描く

 先回のブログ(「包装を外す」)からの続きであるが,今度は突然オランダの自転車会社の話である。
 先回のブログを覚えていただいている方には,突然何の話やと思われるかもしれないが(もちろん先回のブログを覚えていただいていない方にも突然の話なのであるが),ご安心を。
 話題にしたいのは,オランダの「VanMoof:ヴァンムーフ」という自転車(シティバイク,だそうであるが)のブランドである。
 この会社では,製品である自転車を段ボールの箱に梱包して出荷しているのであるが,この段ボール,すなわちパッケージには,自転車のかっこいいイラストや写真が描かれていそうなものであるが,実はそうではない。
 では,自転車の「代わり」に,何が描かれているかというと,なんとテレビのデザインが使用されているという。
 これはまたどうしたことだろうか。もちろん重大な理由があるわけだが,おわかりいただけるだろうか。これはある種の問題解決なのである。

 ヴァンムーフは,ニューヨークに支社を持っており,製品である自転車をニューヨークに発送するのだが,途中で製品がダメージを受けてしまうケースが続出していた。
 これをなんとかするための方策として考えられたのが,「パッケージにテレビをデザインする」という方略であった。
 パッケージに,自転車よりも「壊したらまずそう」なものをデザインしたらどうか,という話になり,製品を収める段ボール箱が,フラットスクリーンTVの箱と同サイズだったことから,箱にテレビのデザインを施すことにしたのである。
 このアイディアのおかげで,オランダからニューヨークへの輸送の際に起きていた製品のダメージは70%から80%も減少したのだそうだ。
 配送の人たちが,「テレビが入っている」と思って,より丁寧に段ボール箱を扱ってくれたことが原因だろう。
 ということで今回の話は,パッケージによって我々は勝手に中身に想いを馳せ,それに応じた扱いをしてしまうとまとめることができる。
 これはひょっとすると,服装の乱れを云々,みたいな話に繋がるのかもしれないし,先入観の話につながるのかもしれない(ここではこれ以上展開しない)。
 いずれにしても,この問題解決が極めて心理的な問題解決であることは間違いない。
 いや,やっぱり心理学素晴らしいなぁって話ですけど。

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