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川上正浩ブログ

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包装を外す

 とあるところで( どこでかを忘れているこういうのはたいていWebなのであるが )こういう話を聞いた。
 子育てに関する話である。
 その人は,子どもにおやつ( お菓子 )を出すときには,面倒でも必ずパッケージから出して,お皿に盛って出しておられたとのこと。
 この一手間にどういう意味があるかおわかりだろうか。
 品格の話かと思われた方もいらっしゃるかもしれないが( 川上も最初はそう思った ),実はもっと現実的な話なのであった。
 要するにこういう提供の仕方をすると,子どもがお菓子のパッケージについて記憶しないのである。
 だから,スーパーとかに一緒に買い物に行っても,お菓子売り場で「あれが欲しい!」とか「これが欲しい!」とかおねだりすることがほとんどないというのだ。

 これは割とスマートな方法であると言って良いのではないか。
 子育てとしてどうか,という話は置いといて,これは人間の性質というのをよく理解しているなぁと感じるのである。
 学習心理学の話で言えば,これは古典的条件付けの話( というか,これをしない話 )と言ってもよい。
 子どもにとって,お菓子のパッケージはお菓子という報酬と対呈示されるものであり,このパッケージが呈示されれば,「パヴロフの犬」でなくとも唾液の分泌が促されることになろう。
 そうなると,その刺激を見て,「あれが欲しい!」とか「これが欲しい!」とかねだることになるのは当然のことだ。
 なぜなら,こちらはオペラント条件付けの話になるが,自分のおねだりする行為が,親の購入という行動につながり,自らが報酬を得られると学習しているからである。
 なんだか無理やり学習心理学的に説明しているような気もするが,「子どもがお菓子売り場で欲望を喚起されるのは,そのパッケージを学習しているからである」と見抜かれたその方の子育て術は,実に素晴らしいと思う。
 もちろん最近のパッケージには,実際のお菓子の写真がデザインされているものも多く,子ども心にも「あれ?あの写真がついてるあの箱にはあのお菓子が入っているのでは?」という推論を促すこともあるとも思うが。
 この辺りも難しいところで,「実際に入っていないもの」がパッケージに描かれていることも結構多いわけで,「アリさんマークの引越社」のトラックを見た子どもが,あのトラックいっぱいにアリが詰まっていると想像するのかというと,そうでもない気がする。
 あ,そう言えば...とさらに思いついた話があるのだが,すでに随分と長くなっているので,続きは次回に。
 例によって,待て次号,って話ですけど。

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