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川上正浩ブログ

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女房の言葉を語る(2)

 さて先回のブログ(「女房の言葉を語る(1)」)の続きである。
 おさらいすると(必要あるのか?),室町時代初期頃から宮中や院に仕える女性たちが使い始めたという「隠語的な」言葉である「女房言葉」について語っているのだ。
 先回のブログでは,丁寧表現に力点を置いて語ったのであるが,女房言葉というのは,「隠語的な」言葉であるので,川上の感覚では,いわゆる「符丁」に近いものだと思っている。
 すなわち,そして,すべてを言い切ってしまわない「奥ゆかしさ」を感じさせるところが重要なのである。
 たとえば「しゃもじ」というのが典型的な女房言葉である。
 しゃもじは元々は「杓子(しゃくし)」のこと(「杓子定規」の杓子である)であり,それを直接的に「杓子」と言わずに,「『しゃ』という文字から始まるアレ」のようなニュアンスで,「しゃもじ」と呼び始めたらしい。
 こうした婉曲表現の「文字詞(もじことば)」は,結構色々とあるのだ。
 「浴衣」のことを「ゆもじ」,「鬘(かつら)」のことを「かもじ」,「お目にかかる」ことを「おめもじ」などと言うのは全部これである。
 ちょっと面白いのは,「ひもじい」で,これは,空腹であることを表す「ひだるい」という言葉から来ていて,「『ひ』という文字から始まるアレな状態である」ことを示しているのである。
 これらはいわゆる略語のようなものではなくて(「かつら」と「かもじ」とかの文字数は変わっていない),婉曲的に言っている,というのが良い感じなのである。
 そういう意味では,最近の(と言っても感覚が古いのでもう最近とは言えないかもしれないが)言葉である「告る」なども,「告白する」を省略したわけではなくて,気恥ずかしいから婉曲的に表現したのだ,と言われれば,それなりに趣があるようにも感じられる。
 そう言えば,と思い出した話があるのだが,今回もまた長くなりすぎたので,今日のところはここらで,再び次回に続くということにしよう。
 再び,待て次号,って話ですけど。

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