先日とある高校に,模擬講義をしに出かけてきた。
いわゆる「分野別説明会」と呼ばれる企画であり,心理学を含め,さまざまな学問領域の“模擬講義”が開講されていた。
高校生さん達は,それぞれ自分の興味のある学問領域の授業を聴きに行くという寸法である。
模擬講義,とは言うものの,対象は高校生(今回の場合は高校2年生であった)であるので,当然のことながら,普段と同じ講義,というわけにはいかない。
しかも時間は50分間(高校生にとっては“当たり前”であろう)である。
まぁ近年こうした機会は増えてきているので,こちらもだいたいのやりようについては掴めてきたような感じがしている。
今回も,心理学に興味を持って聴きに来てくれたのは14名の高校生さん達であったが,感想を見せてもらう限りは,彼らのためになったと感じてもらえたようだ。
そもそも心理学というのは誤解を受けやすい学問であると思う。
より具体的に言うならば,心理学を学問として学んだことのない人達は,いわゆる臨床心理学だけが心理学であると考えていたり,「森を歩いていたら動物に会いました。その動物は何ですか?」式の“心理テスト”が心理学であると考えていたり,さらには,心理学者は人の心を見透かす能力を持っていると考えていたり,といった具合である。
まぁそうした傾向は,それこそ最近は少し治まって来たように感じてはいるが,それでも,我々心理学者から見た心理学の真の姿が,特に高校生さん達に共有されているとは考えがたい。
そこで,こうした機会には,この辺りの話を中心に講義(授業)を組み立てることが多い。
となると,要するに高校生さん達には“予想外”あるいは“想定外”の話になるわけであり,そこをどううまく巻き込むかが重要となる。
そうした意味で言えば,日常の授業やら,いろんな場面での講演やらもまったく同じことな訳で,聴衆をどのようにinvolveしていくか,というのが,言ってみれば腕の見せ所である。
そうした意味で今回の模擬授業がうまくいったかどうかは,聴衆であった彼らとじっくり話してみないとわからないけれども,こうした機会を通して,(真の)心理学を学ぼうと考えてくれる高校生さんが少しでも増えてくれれば嬉しい限りである。
で,実は来月もまた同じような企画が別の高校で催される。
さ,そっちも頑張ろう!って話ですけど。
コメント (2)
川上先生,お疲れ様ですm(__)m
そうですね,心理学というものは誤解を受けやすい学問だと,私も思います。
“心理学者や心理学を学んでいる学生は人の心を見透かす能力を持っているという考え”
私の身近な人間が,そのような考えをもっているので,たいへん困ったものです。。。
川上先生直々に,その子に何時間でも素晴らしい講義をきかせてやって欲しいと
思ってしまいます。(微笑)
私も,高校生時代に,川上先生の出張講義を受けたかったなぁと,今,感じています。
高校生時代に,少しでも,そういった知識を得ているのと得ていないのとでは,人生にも
多少差が出てきそうな気がします。
川上先生のことが好きな死神より
投稿者: 死神 | 2010年6月 1日 01:08
日時: 2010年6月 1日 01:08
コメントありがとうございます。
少しでも,そんなふうに思ってくれる高校生さんが増えるよう,
頑張っていきたいと思います。
投稿者: 川上 | 2010年6月 2日 13:06
日時: 2010年6月 2日 13:06