もれなく当たる,という表現がある。
割と当たり前の表現であるとはわかっているが,しかしそれでもなんとなくしっくり来ない感じがする。
言わずもがなで恐縮だが,もれなく当たるということは,全ての人(懸賞という文脈で言えば,応募者全員)に当たる,ということである。
では,それは“当たる”という表現に当たるのだろうか。
もれなく貰える。もれなくプレゼント。もれなく差し上げます。
その辺りの表現は良いと思うのだが,“当たる”というのは,外れる場合がある,ということを包含した表現であると思うのだがいかがか。
抽選という概念と当たりという概念はそもそも同義として扱われやすい概念であると思う。
それは,「くじ付き」「当たり付き」という表現がほぼ同義に用いられていることにも表れている。
とすれば,何らかの意味でセレクションが行われることが,“当たる”ことの前提になっているのではないか。
だから,「もれなく当たる」という表現はなんだかしっくり来ないのである。
たぶん世の中にそんなことを考えている人の割合はきわめて少ないと思うけれども。
逆に,皆がもれなくそんなことを考えるような世の中になったら気持ち悪い,って話ですけど。