偏食を開き直る

 タイトルが文法的に正しいかどうかはともかくとして,かなりの偏食であることは確かである。

 何が嫌いかを列挙していくことは,弱点のリストをさらけ出すようなものであるので,ここではそうしたことは控えておくけれども,とりあえず周りの誰もが知っている情報であるので,「キュウリが嫌いである」ことについてはカミングアウトしてもさほど問題がないと判断できる。

 

 こうした偏食の話題,より正確に言えば,「嫌いな食べ物」の話題になった時に,必ずと言っていいほど起こる展開がある。

 

「私,生魚はちょっと食べられなくて

「えっ,あんなにおいしいのに!!」

 

 うーん,どうして人間というのはこうも自分中心に物事を考えてしまうのか。

 おいしくない,と思っているからこそ,彼女は生魚が嫌いなのである(もちろん,アレルギーがあるとか,小さい頃のトラウマ的な体験があるとか,必ずしも味覚に起因しない「嫌いな食べ物」は存在するとは思うが)。

 これが,

 

「私,生魚はちょっと食べられなくて

「えっ,あんなに栄養価が高いのに!!」

 

 というような会話であれば,問題はない。

 特定の個人が生魚を好きであるか否かと,生魚の栄養価が高いかどうか(これはあくまでも例え話であるので,ここで生魚の栄養価の高低については議論の対象外であることに留意いただきたい)については,基本的に独立であると思われるので(これも,カフェテリア実験に代表されるような状況については議論の対象外である。カフェテリア実験が何であるかについては,ウェブで検索していただければ比較的簡単に解決可能であると思うので,ここではこれ以上展開しない),このコメントは意味をなすコメントであると言えるであろう。

 

 翻って,先の「えっ,あんなにおいしいのに!!」というコメントは,どう贔屓目に見ても生産的なコメントであるとは思えない。

 もちろん,世界三大珍味 という表現から察せられるように,おいしさについても,客観的な,より正確に言えば,多数決的なコンセンサスは得られるという考え方ももちろんアリである。

 そうした意味では,珍味という定義も本来はなかなかに微妙なラインにあるのは確かである。

 「めったに味わうことができない」というところに力点が置かれているので,という概念で表現されているのであろうが,本来「珍しい・入手困難である・高価である」といったことと「おいしい」こととは独立であるべきである(B級グルメという言葉を思い起こして欲しい)。

 しかしながら人間の判断というものは,往々にしてこれらに相関を見出したいものであるらしく,珍味という表現の中には,既にして「珍しくておいしい」という意味が内包されていると思われる。

 ま,それはさておき。

 話を戻すと,先刻の「私,生魚はちょっと食べられなくて」という彼女の表明は,「私には生魚がおいしいとは思えません」という表明とイコールであると考えて良いだろう。

 その局面で「えっ,あんなにおいしいのに!!」,すなわち「私には生魚はとてもおいしいと思えます」と表明することは,ただただ主観を,しかも,共感が得られるとは期待できないことが事前に表明されている主観を,表明しているに過ぎないのではなかろうか(ちなみに,というか単に思い出したのだが,「新明解国語辞典」の「鴨」の項目には,鳥としての鴨について一通りの説明がなされた後,「肉はうまい」という,ある意味身も蓋もない,ある意味主観に溢れた,ある意味辞書にあるまじき定義が掲載されており,いっそ清々しい感じがする)。

 「えっ,あんなにおいしいのに!!」という表明は,ひょっとすると,総意誤認効果に由来しているのかもしれないが,それにしても建設的ではないコメントである。

 まぁ,そうした局面で建設的であることを求めるのが正しいのかと言われると自信が無いが,もうちょっと言い様はないもんだろうか。

 同じような局面でちょくちょく使われる,

 

「人生損してるよ!!」(これは「漬け物が食べられない」というカミングアウトをした際によく起こる)

 

 というコメントは,それはそれでむしろ納得いくものである。

 それは,偏食によって何かが食べられないとすれば,食べられるものや,食事のシチュエーションそのもののヴァリエーションが減少するからである。

 

 なんてことを書いていると,結局問題なのは偏食であることではなくて,偏屈であることかもしれないと思い至った。

 え,唐突なダジャレオチですか?って話ですけど。

コメント (5)

死神:

(●^o^●)笑
唐突なダジャレオチに、またまた今回も、怪しく一人PCの画面を見つめ、にやけて
しまいました(#^.^#)
♪画面だけを ただ見つめて 微笑んでる あなた♪(残酷なニートのテーゼより)


偏食についてですが、私は最近、炭水化物類が無性に食べたくなり、そして食べて
しまって、正直なところ困っています…。。。
当然、普通の食事もしますが、やはり炭水化物が多いです(・.・;)止められるものな
ら止めたいのですが…なかなか止めれません…。。。
これも偏食でしょうか(?)。。。

何をそんなに困っているのかといいますと、体重が増え太ってきたということです…。
1ヵ月で約5kg増です…。。。
朝、体重計に乗るたびに、ショックを受けます…(>_


死神なのだから、リンゴしか食べない、と、死神を貫き通したかったのですが、まぁ事
実がこうですから仕方がありませんm(__)m


川上先生の偏食、「きゅうりが嫌い」は知っていましたが、食べてみることをお勧めし
ます。
上記の偏食の話題、よくありますよねぇ(^。^)
その後者の方を採用しますと・・・
きゅうりは、栄養価が…、あっ……、残念ながら非常に低いです…。96%近くが水分
で、低カロリーで、栄養成分にみるものはないということです…。。。
全くお勧めになりませんでした。。。

でも、きゅうりとわかめをポン酢をかけて食べるのは非常にお勧めです!私の最近
のはまりメニューです。ん?メニューと言ってもいいのだろうか??
ただ、きゅうりを刻んで、わかめを湯通しして切って、混ぜただけなのに…。。。


結局、何が言いたかったんだ(?)という感じですが…。。。


                             川上先生のことが好きな死神より

川上:

コメントありがとうございます。
残酷なニートのテーゼですか。。某ゼミ生さんがカラオケで
歌っていたことを思い出します。
ちなみに,先日は某所で「魂のソフラン」を聴かせていただきました。
え,食いつくとこ,そこか?って話ですけど。

死神:

全然、食いつくとこ、そこでかまいませんよ(#^.^#)

「残酷なニートのテーゼ」って、カラオケに正式にあるのでしょうか?
それとも、その場で某ゼミ生さんが替え歌で歌ったのでしょうか?

「魂のソフラン」は、私は知りませんね。。。
ネットで検索しておきます(^u^)

                  川上先生のことが好きな死神より

た:

こんにちは。
嫌いな食べ物の、どこがいやなのかみたいな話はいかがですか?

生魚は意味するところはそんなに広くないですが、たとえば酢の物なんかは該当する食べ物多いですよね。
先生もご存知のある先生は、
酢の物はダメ(うざくもダメ、酢牡蛎もダメ)
お寿司はスキ
という嗜好をお持ちでした。
鱧の梅肉和えはどうなんだろう。。

川上先生のダメな漬物も意味するところは割と広いのではないかと思います。
牛肉の味噌漬けとか、鳥ももの麹漬けとか、銀だらの西京漬けとか。オレンジピールも砂糖漬けがあったかも。

こんなのはお漬物っていいませんか?
(ケンカは売ってませんので、お買い上げになりませぬよう。)

川上:

コメントありがとうございます。

えっと,お漬物とは言いませんね。西京漬けとかは好物の方に
入るかもしれません。マリネは微妙な位置づけです。まぁ思い込みと
言われればそれまでですけれど,所詮は人間の嗜好なので,そんな
もんかと思います。えっと,別にケンカを買わない代わりに投げ遣りに
なっているわけでもありません。

あ,死神さんの質問ですけれど,「残酷なニートのテーゼ」も
「魂のソフラン」も携帯で歌詞検索しながら歌われておりました。

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