実は2月の24日から28日まで,アメリカに出張していた。ウィスコンシン州ミルウォーキーという寒いところである。緯度で言うと北海道くらい。出発前に関空で,今回の出張に同行していただく某大学の先生と落ち合った時に,「向こうは今日の最高気温が0℃らしいですよ」と情報をいただいた。思わず「最高気温がですか…」とまったく情報の増えそうにない返答をしてしまった。
それはさておき,こういう予定について,予定の段階で,あるいは途中(つまり出張中)の段階で,こういうブログに載せてしまうことは,家あるいは研究室を“留守にする(ちなみに回文)”あるいは“留守にしている”ということを大っぴらに不特定多数に公開することになるので,セキュリティ上あまり好ましくないと思っている。まぁ過敏といえば過敏かもしれないが,何が起こるのかわからないのが“ネット社会(逆におじさんくさい言い方だが)”であると思う。
以前,某共同研究者のブログに,
「これが,毎日きちんと日記を書いている人だと,更新がないことから不在なのだとばれてしまう。というわけなので,この日記が不定期更新なのは,不在がばれないようにしているんだと思ってください。」
とのコメントがあったが,本当にこれくらい気をつけても損は無いと思う。というわけで,本ブログが不定期更新なのも,不在がばれないようにしているんだと思っていただきたい。
ついでに言うと,以前読んだ推理小説に,誘拐犯が,子どもの写真や生活の様子を載せたブログから誘拐の対象にする子どもや家庭をピックアップする,という話があった。生活パターンや娘の幼稚園,通学の様子などが日記の形でブログに書かれており,犯人はこれを参考に誘拐の計画を立てる,といった内容のものであった。これなどは結構本当にありそうな話で,怖い話ではある。
こうしたセキュリティやリスク・マネジメントの問題は,知識の問題と言うよりも,想像力の問題であると思う。特にこの領域では,たとえば「どれだけネガティブな状況を想像できるか?」といった想像力が必要となるだろう。考えようによっては嫌な能力である。さらに言えば,いわゆる“性悪説”に立つことで回避できるリスクもあるだろう。しかしながら,この能力は典型的な拡散的思考であり,我々のような“研究者”には,身に付いていてしかるべきものだと思っている。だいたい自分自身リスク・マネジメントが甘いところがあり,自戒の意味も込めて書いているのだが…。
ただ,更に言うならば,セキュリティとコンビニエンスとは基本的に対立する概念であり,セキュリティ・レベルを上げようとすればするほど使い勝手が悪くなる。パソコンのOSやらソフトやらの例がわかりやすいだろう。セキュリティ・レベルが上がってくるにつれて,何かやろうとすると(たとえばファイルを開くとか),その度に「(開いて)いいっすか?いいっすか?」的な確認が多くなり,いちいちそれに答えなければならなくなる。もちろんそうしたステップを踏むことによってセキュリティ・レベルは上がっているわけである。ただ,あえて更に言うならば,こうした確認のステップがルーチン化することによって実質的な確認にはならなくなり,結局はセキュリティ・レベルは変わらなかったりするのだが, 長くなるのでそれについてはここではこれ以上展開しない。
さて,まだ全然ミルウォーキーの話にたどり着かないが,結構長くなってきたので今日のところはそろそろ終わろう。出張終わったらブログに載せようと思って,少し書きためてる部分もあるので,具体的なアメリカの話は次号以降で。タイトル以上の情報,ほとんど入ってないやん…って話ですけど。